カメラロールを見返していたら、こんな事件があったなと思い出したので振り返りブログに。
アメリカ西海岸を単身旅行中にサンフランシスコで殴り飛ばされてヘッドホンを盗まれた話です。
時は2018年2月、2週間のアメリカ西海岸旅行に出発しました。サンフランシスコ、ヨセミテ国立公園、ロサンゼルス、サンノゼを回る計画でした。事件は到着してわずか3日目のサンフランシスコで起こりました。
3日目はカリフォルニア屈指の景勝地であるヨセミテ国立公園に行く予定でした。移動用の長距離バスを予約していたので、朝5時にドミトリーの宿を出発してバス乗り場に向かっていました。サンフランシスコは大手町のようなビル群が立ち並ぶビジネス街なので、早朝はひと気もなく暗いです。冬はサンフランシスコでも寒く、耳あてがわりにオーバーイヤーヘッドホンをつけて歩いていました。
アメリカではwi-fi以外でスマホをインターネットに繋げないので、地球の歩き方についているマップを使ってバス停まで歩くことにしました。地球の歩き方には旅人への注意が書いてあり、サンフランシスコの欄は事前にチェック済みです。それによると、サンフランシスコは綺麗な街だが、中心部にゴロツキの溜まり場となっているエリアがあり、ひったくりの被害は意外に多いので注意と書かれていました。
「こんな綺麗な街でそんなことあるのか?」と思いながらも、暗い路地(路地といっても車道二車線と歩道がある通り)にふとさしかかりました。今までとは明らかに雰囲気が違う場所だったので、ひったくりとかはこういう場所で起こったりするのかな。とか思いスマホで周囲の写真を撮りながら歩き続けました。
一通り撮り終えてスマホをポケットにしまったまさにその時。後ろから「タッタッタッタ」と走ってくる音が聞こえました。状況的にどう考えてもやばいのですが、ここは生粋の日本人である私、平和ボケは世界トップレベルです。
「朝ランかな?やっぱサンフランシスコ民は意識高いな。」
とか呑気なことを思いながら、後ろを振り返ることなく歩き続けました。次の瞬間、左顎に強烈な衝撃を感じ、そのまま地面に転がり倒れました。
何が起きたのかさっぱりわかりませんでしたが、後ろを振り返るとムキムキでゴリッゴリの黒人が私に向かって大声で吠えていました。右手には私がつけていたヘッドホンが握られていました。彼はそれが欲しかったのだろうと思いヘッドホン以外の地面に散乱した荷物を抱えて逃げました。
本当に急なアクシデントが起きると、人間は痛みとか焦りとか恐怖とかは感じないんですね。その後数分間はやけに冷静というか、ちょっと世界がスローに感じました。これがアドレナリンでしょうか。
バス亭についたくらいで左頬と目の横あたりが強烈に痛み出し、頬はパンパンに腫れているのがはっきりとわかりました。
それでもここは海外、泣きつく相手もいないのでそのまま旅程を続行しヨセミテへ向かいました。人生でも最大級に孤独感と無力感を感じた1日でした。
夜、ヨセミテの宿について鏡を見ると頬が腫れすぎて直角になっており、さらにアザで黄色くなっていて見た目はさしずめ食パンマン。
殴られただけでナイフで刺されたりしなくてよかった、盗られたのがヘッドホンだけでよかった、とか思いながら泥のように眠りました。
いやーそれにしても、ガリガリのアジア人が地球の歩き方持って、耳をヘッドホンで塞いで暗い道を一人で歩くってカモすぎましたね。しかも走ってきても振り返らなかった。笑
地球の歩き方は表紙が特徴的で多くの日本人観光客が持っているので、堂々と持ち歩いてるとひったくりのターゲットにされやすいみたいです。みなさんも気をつけてください。